行政訴訟判決
- ◆S55. 3.26 東京地裁 昭和45(ワ)7088 所得税返還請求事件(1)
◆S55. 3.26 東京地裁 昭和45(ワ)7088 所得税返還請求事件○ 主文
原告らの請求をいずれも棄却する。
訴訟費用は原告らの負担とする。
○ 事実
第一 当事者の求めた裁判
一 請求の趣旨
1 被告は原告Aに対し金八万〇一〇〇円を、同Bのに対し金七万二〇〇〇円を各支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
二 請求の趣旨に対する答弁
主文と同旨
第二 当事者の主張
一 請求の原因
1 原告らは夫婦でその間に幼児一人があるところ、原告Aは昭和四六年一月から同年九月二〇日まで株式会社精工舎に、翌二一日から同年末まで全国金属労働組

合精工舎支部に勤務し、賃金合計一四八万一九四五円の、同Bのは同年一月から一二月まで右精工舎に勤務し、賃金合計一二三万四六七一円の各支払を受けた。
2 原告らは昭和四六年分所得税として原告Aにおいて八万〇一〇〇円を、同Bのにおいて七万二〇〇〇円を各源泉徴収手続により国に収納された。
3 しかし、右所得税の収納は次のような違憲無効な法律に基づいて行われたものであるから、法律上の原因を欠くものである。
すなわち憲法第八四条が規定する租税法律主義とは、イギリスのマグナカルタ及び権利請願並びにフランス人権宣言へと続く歴史的沿革

に照らすと、右規定は単に租税の創設、改廃あるいは徴税の手続を法律で定めさえすれば足りるものとしているのではなく、税法における納税者の基本的人権を保障するため税額決定の方法から徴税の手続に至るまで納税者の主体的権利、実質的平等及び生存権を保障した民主的かつ合理的な制度を要請しているものであるところ、かかる見地から給与所得者の所得税徴収の仕組みを検討すると次の問題点が存する。
(一) 源泉徴収制度の違憲性
給与所得者に対する源泉徴収制度は昭和一五年に当時の増大する戦時財政を支えるために導入されたものであるが、次のような問題点を

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